ミズノのエントリーモデルバレーボールシューズとして展開されているサイクロンスピードシリーズ。今回は、サイクロンスピード 4の後継モデルに当たる『サイクロンスピード 5(CYCLONE SPEED 5)』が発売されたので、実際に履いた上で、前作と比較をしつつじっくりとレビューしていきます。
サイクロンスピード 5について
サイクロンスピード 5は以下のモデル・カラー・サイズが展開されています。
サイクロンスピード 5 | |
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品番 | V1GA2580 |
足幅 | 3E相当 |
カラー・サイズ | ・52:ホワイト×ネイビー(22.5cm~29.0cm) ・57:ブラック×グレー(22.5cm~29.0cm) |
サイクロンスピード 5 Jr. | |
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品番 | V1GD2510 |
足幅 | 3E相当 |
カラー・サイズ | ・53:ブラック×ホワイト(18.0cm、19.0cm、20.0cm、21.0〜24.5cm) ・57:ホワイト×ネイビー(18.0cm、19.0cm、20.0cm、21.0〜24.5cm) ・58:ホワイト×ブラック(18.0cm、19.0cm、20.0cm、21.0~24.5cm) |
標準モデルとジュニアモデルの2モデルが展開されており、これからバレーボールを始めようと考えている方、老若男女問わず幅広く適応できるであろうサイズ展開となっています。また、どちらもローカット相当の履き口と見受けられます。
ですが、両モデルともに足幅3E相当のみを採用している点が大きな特徴となっています。この点についての詳細は後述。






サイクロンスピード 5(52:ホワイト×ネイビー)のデザインは上の通り。シンプルなデザイン・カラーリングをしており、コーディネートに左右されずに使えるでしょう。(個人的には、「ネイビー」要素はどこ…?という疑問はありますが。)

重さは26.0cm片足実測で268g(左片足靴紐つき)。バレーボールシューズとしては標準的な重さです。前作と比べるとやや軽くなっています。
エントリーモデルらしい最低限のスペック・かなり安価な価格帯
サイクロンスピード 5において特筆すべき機能については特に見受けられず、エントリーモデルらしい最低限のスペックのバレーボールシューズとなっています。
また、展開されている価格帯についても(前作、前々作と比べると物価上昇の影響か、少しずつ値上げされているものの)他のバレーボールシューズと比べるとかなり安価となっており、これからバレーボールを始める方でもかなり手の届きやすいシューズかと思われます。
「WIDE」の表記はないが「足幅3E相当」のみ採用
さて、このシューズの大きな特徴である、「足幅3E相当」のみが採用されている件について。
前作は2Eを採用していましたし、現在の日本国内のバレーボールシューズの主流の足幅は2Eもしくは2.5Eとなっているなか、わざわざサイクロンスピード 5で3Eのみを採用したのは疑問。
さらに付け加えると、ミズノのバレーボールシューズでは基本的に「2E・2.5E=(表記なし・標準モデル)」「3E=WIDE」といった表記がシューズ名にされています(アシックスも概ね同じ)。しかしサイクロンスピード 5に関しては、標準モデルではありますが3Eを採用していながら「WIDE」 の表記がありません。3Eを採用する以上は「サイクロンスピード 5」ではなく、「サイクロンスピード 5 WIDE」としたほうが分かりやすかったのではないかと私は勝手に思っています。(今後、ミズノさんが3Eのバレーボールシューズを主流に展開していくのであれば話は別。)
ですが、もともとサイクロンスピードシリーズは足幅がタイトだったので幅広な設計としたことでより万人受けするかもしれませんし、あえて足幅3E相当を採用することでシューズの方向性が似ている現行の1つ上位モデルのステップアップモデル「サンダーブレード Z」(足幅2.5E相当)と差別化ができているのではないかと思います。

実際に履いてみた感想
- 履き心地
-
■■□□□(2/5:あまり良くない)
- フィット性
-
■■□□□(2/5:あまりフィットしない)
- 通気性
-
■■■■□(4/5:やや蒸れにくい)
- グリップ性
-
■■■□□(3/5:普通)
- クッション性
-
■■□□□(2/5:あまりクッション性がない)
- 反発性
-
■□□□□(1/5:全く反発しない)
- 安定性
-
■■□□□(2/5:ややブレやすい)
- 屈曲性
-
■■■■■(5/5:とても曲げやすい)
- 重さ
-
■■■■□(4/5:やや軽い)
- 価格
※メーカーカタログ値
※当サイト価格基準C -
■■■■■(5/5:とても安い)
総合評価:★★★☆☆(3/5点)「普通」
3Eだから当然にまあまあ幅広

実際に履いてみた第一印象としては、「3Eだからまあ当たり前に幅広だよな」。前作は2Eだったものの結構タイトな作りをしていたのでそれと比較するとやはり幅広に感じます。ですが、他のあらゆるバレーボールシューズと比較すると「劇的に幅広かと言われれば意外とそうでもなくて、近いような足幅の2Eモデルもある。少なくとも私は履こうと思えば履ける。」というのが正直な感想。
何はともあれ、足幅3E相当を採用した幅広なバレーボールシューズなので、購入検討の際はぜひ一度試し履きすることをおすすめします。
クッション材の性能が前作よりも若干改悪か?

サイクロンスピード 5を履いてもう一つ気になる点が、「あれ?前作に比べてクッション材の性能が下がってるのかな?妙に反発しないし、クッション性もいまいち。」という点。
そもそもエントリーモデルのバレーボールシューズであり、正直なところクッション材にはあまり期待していません。ですが、前作と履き比べると、クッション材が微改悪されたのか、個体差なのか、はたまた私の感覚がおかしいのかは定かではありませんが、前作に比べて若干ではありますがクッション材が性能低下しているように感じられました。それによって、悪い意味でよりエントリーモデルらしさが増した印象です。
屈曲性はかなり良いが、動きやすさは普通

前足アッパーの設計がとても快適で、屈曲性が非常に高く、ほとんどストレスなくスムーズに前傾姿勢になったり、踏み込むことができます。通気性も良いです。
ですが、反発性の低さを加味すると、総合すれば普通の動きやすさのバレーボールシューズといった印象です。
現行の最大競合先は、アシックス「GEL-ROCKET 11 WIDE」


他のバレーボールシューズと履き比べてみましたが、性能的に一番近いのはアシックス「GEL-ROCKET 11」。そして、足幅3E相当を考慮すると、同じく足幅3E相当のワイドモデルである「GEL-ROCKET 11 WIDE」が現行の最大競合先となるでしょう。

どちらもエントリーモデルらしい性能となっていますが、もう少し性能のいいバレーボールシューズを望むのであれば、ステップアップモデルバレーボールシューズから検討することを個人的にはおすすめします。現行のステップアップモデルの中からピックアップすると、シューズの方向性的にはサンダーブレード Z(足幅2.5E相当)が近く、他メーカーであればアシックス「GEL-TACTIC 12 WIDE」がワイドモデル(足幅3E相当)がありますので、それらが比較検討対象となるかなといったところです。
総合評価:3<かなり安い幅広なバレーボールシューズ>

サイクロンスピード 5を総評すると、かなり安く幅広なバレーボールシューズを探している方の検討候補となるバレーボールシューズの1つといったところです。
足幅3E相当ではありますが劇的に幅広というわけではなく、その他の性能を総合して考えれば「エントリーモデル」「価格の安さ」ということを考慮すれば妥当なバレーボールシューズといったところでしょう。
ですがやはりエントリーモデルらしいバレーボールシューズなので長い目で見ればもう少し性能の高いもの、例えば同メーカーの方向性の似た現行モデルであればステップアップモデルの「サンダーブレード Z」の方が長期的な満足度は高くなるのではないかと思います。

サイクロンスピード 5
総合評価:★★★☆☆(3/5点)「普通」