『ウエーブモーメンタム エリート』レビュー|シリーズ過去作の”優しい安心感”が消えたバレーボールシューズ

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ウエーブモーメンタム エリート_画像
ナカ
この記事を書いた人(当Webサイト運営者)
バレーボール歴十数年。これまで実際に練習・試合で履いてきたバレーボールシューズの数は約10足。バレーボールシューズを中心にレビュー、ランキング記事やコラム記事を執筆しています。

バレーボールシューズ

ミズノ「ウエーブモーメンタム エリート(WAVE MOMENTUM ELITE)」

を、実際に履いた上でレビューしていきます。

目次

基本・スペック情報

ウエーブモーメンタム エリートは、ウエーブモーメンタム 3のおそらく後継モデルに該当し、以下3モデルが展開されています。

ウエーブモーメンタム エリート
品番V1GA2512
V1GA2512_c
履き口ローカット
足幅2E相当
カラー・サイズ01:ホワイト×ブラック×オレンジ(22.5cm~31.0cm)
51:ホワイト×ブラック(22.5cm~31.0cm、32.0cm)
54:ブラック×メタリックグレー×ブルー(22.5cm~31.0cm)
55:ホワイト×ネイビー(22.5cm~31.0cm)
ウエーブモーメンタム エリート WIDE
品番V1GA2513
履き口ローカット
足幅3E相当
カラー・サイズ51:ホワイト×ブラック(22.5cm~31.0cm)
ウエーブモーメンタム エリート MID
品番V1GA2517
履き口ミドルカット
足幅2E相当
カラー・サイズ51:ホワイト×ブラック(22.5cm~31.0cm)

今回実際に履いてレビューするのは、ウエーブモーメンタム エリート・01:ホワイト×ブラック×オレンジ・26.0cmです。以下がシューズのデザイン画像となります。

ウエーブモーメンタムシリーズがアップデートされ、正直わかりづらくなった

今作からウエーブモーメンタムシリーズのラインナップが若干アップデートされ、おそらく前作までの「ウエーブモーメンタム」と、ステップアップモデルとして展開されていた「ウエーブディメンション」が同一シリーズで以下の展開となっています。


ではここで一つ皆さんに質問です。

「エリート」、「プロ」。どっちが上位モデルの名称でしょうか?

本シリーズにおいては、以下の位置付けがされています。

  • 「エリート」=上位モデル(ウエーブモーメンタム エリート)
  • 「プロ」=ステップアップモデル(ウエーブモーメンタム プロ)

私は「エリート」と「プロ」両単語とも同じぐらいプレミアムさを感じており、どちらが上位モデルでどちらがステップアップモデルなのかパッと判断できません。きっと多くの方もそうではないでしょうか。

中途半端にどちらにもプレミアム感のある単語を採用するのではなく、それぞれにもう少し区別がつきやすい単語、もしくはどちらかを無印ナンバリング継続にすることで購入検討者が悩まずよりわかりやすく判断できたのではないでしょうか。

そしてこの問題をさらにややこしくしているのが、エリートとプロともにデザインが似ているということ。ベーシックなカラーで両モデルを比較すると、遠目で見たり興味のない人からするとほとんど違いがわからないくらいに似ています。

名称・デザイン共にもう少しはっきりと区別できるようにしていただきたかった。そうすれば迷わず比較・購入検討できるのになあといったところです。

クッション性・安定性の強みのある設計方針は今作も引き続き継続

ウエーブモーメンタム エリートの機能のうち、前作から引き続き採用された主な機能として、

  • ワイドなソール設計
  • サイドウォール設計
  • ミッドソール全体にMIZUNO ENERZY
  • 前足部にMIZUNO ENERZY CORE採用

この辺りが挙げられます。

また、前作から追加・変更された主な機能として、

  • 一部アッパーに2層構造が採用され、横方向への安定感向上
  • 靴べろ部・アッパーがハーフブーティ構造へ変更され、フィット感は若干下がるが着脱しやすさが向上
  • インソールにMIZUNO ENERZY XPが採用され、性能向上

この辺りが挙げられます。

シリーズ過去作のクッション性・安定性の強みのあった設計方針は今作も継続となっています。

2.5Eを廃止し、今作では2E or 3Eを採用

シリーズ過去作は2モデル(2.5Eローカット、2.5Eミドルカット)の展開でしたが、今作は3モデル2Eローカット、3Eローカット、2Eミドルカット)となっています。

ベースモデルの足幅が2Eへと狭められたのに加え、ローカットモデルでは3Eモデルも追加されたため、足幅の選択肢が増えています。

シリーズ過去作から大幅に軽量化され、バランス型に分類

ウエーブモーメンタム エリート_重さ画像

重さは26.0cm左片足紐ありで、実測309g

他のバレーボールシューズと比較するとやや重いですが、当サイト基準では重量級ではなくバランス型に分類される程度の重さ。ウエーブモーメンタム2が327g、ウエーブモーメンタム3が330gだったのでシリーズ過去作と比較するとグッと軽量化が図られています。標準モデルが2.5Eから2Eへと変更されているのも軽量化に繋がっていることでしょう。

実際に履いてみた感想

ウエーブモーメンタム エリートの評価
履き心地

■■□□□(2/5:あまり良くない)

フィット性

■■■■■(5/5:とてもフィットする)

通気性

■■■□□(3/5:普通)

グリップ性

■■■■■(5/5:とても滑りにくい)

クッション性

■■■■■(5/5:とてもクッション性がある)

反発性

■■■■□(4/5:やや反発する)

安定性

■■■■■(5/5:とてもブレにくい)

屈曲性

■■□□□(2/5:やや曲げにくい)

重さ

■■□□□(2/5:やや重い)

価格
※メーカーカタログ価格
※当サイト価格基準C

■■□□□(2/5:やや高い)

総合評価:★★★★☆(4/5:おすすめ)

シリーズ過去作にあった「優しい安心感」が消えた

ウエーブモーメンタム エリート_ハーフブーティ構造画像

実際に履いてみて真っ先に、

あっ、これまでのウエーブモーメンタムシリーズとはかなり違う。履き心地は良いとは言えない。

と非常に強く感じました。

シリーズ過去作ではクッション性・安定性に強みを持ちつつ、クッションやアッパー部や履き口など様々な部分から非常に優しく包み込んでくれるような柔らかさ・肉厚さを感じ、絶対的な「優しい安心感」がありました。

しかし今作のウエーブモーメンタム エリートに関しては、クッション性・安定性にとても強みがある設計は変わりはありませんが、あらゆる部分から優しく包み込んでくれるような設計ではなくなったため、「優しい安心感」が消え去ってしまいました。クッションは肉厚だけど硬くて沈み込まなくなり、アッパー・履き口は硬くペラっとさを感じる。特にブーティ構造がハーフブーティに変更されたことによって包み込んでくれるような感覚はありません。なんならハーフブーティ構造は普通のシューズの靴べろ部の構造と大差無く感じます。軽量化のために色々と削ぎ落としてしまったかのような印象です。

クッションやアッパー・履き口の「優しさ」に限定して言えばもはやウエーブライトニング Z8の方が感じられます。

また個人的に感じたのが、親指付け根に最も近いシューホールを通っている靴紐が足に当たって若干痛いなあといったところ。これは私の足形が合っていないのか慣れの問題なのかといったところでしょう。

2.5E→2Eへの変更でグッとタイトになった

ウエーブモーメンタム エリート_ワイドなソール設計画像

今作の標準モデルは足幅2E相当を採用しているということもあり、2.5E相当を採用していたシリーズ過去作のシューズと比較すると当然にタイトな足幅になっています。

しかし、他の足幅2E相当のバレーボールシューズと比較しても結構タイトな作りになっているなあといった印象です。前足部のゆとりもありません。

シリーズ過去作を履かれていた方は今作では足幅が異なっているということに注意し、場合によっては足幅3E相当のWIDEモデルも検討対象となるかもしれません。

クッションはとても肉厚。だけど方向性が少し変更

ウエーブモーメンタム エリート_インソール画像

クッション性はこれまで通り非常に高くて前足から後足まで肉厚なクッションを感じられる今作のウエーブモーメンタム エリートですが、クッションの方向性がグニュグニュ系から今作はやや硬めでより反発性を感じられる仕様へと少し変更されています。

クッションの方向性が少し変更されている点についても、シリーズ過去作を履かれていた方は注意が必要かもしれません。

あまり動きやすくはない。安定性は高い

ウエーブモーメンタム エリート_アッパー2層構造画像

反発性はやや優れており過去作と比較すると軽くなっているため、動きやすくなっているのでは?と期待しましたが、実際に履いて動いてみると動きやすさに関しては正直微妙でした。あまり良くないです。

大きな原因として挙げられるのがアッパーの設計。中足〜前足にかけて安定性向上のためにアッパーに採用されたジグザグの2層構造(上の画像ではアッパーメッシュ下のオレンジのライン)の影響か、妙にアッパーがパキパキしていて屈曲性がイマイチ良くなくてグッと踏み込んだ際にやや引っかかりを感じました。2層構造によって安定性は確かにやや向上しているように感じられますが、動きやすさがイマイチだと印象は良くありません。

使用していくうちにアッパーに慣れたりクセづいてくるかもしれませんが、現状だとグッと踏み込んだりとっさの動作の際にストレスを感じてあまり良くないなあといった印象です。

シリーズ過去作の完成度が高かった故の落胆

ここまでどちらかと言えばあまり良くない感想を多く述べてきましたが、ウエーブモーメンタム エリートは決して悪いシューズというわけではありません。グリップ性・クッション性・反発性・安定性は良いですし、展開モデルは3つ(足幅2Eローカット、足幅3Eローカット、足幅2Eミドルカット)で選択肢は広い。良いバレーボールシューズの1つです。しかし、シリーズ過去作が非常に高い完成度だったのに今作の完成度がやや物足りなかったが故に少し落胆しているというのが正直な感想です。

シリーズをアップデートに伴ってシューズの完成度もさらにアップデートしていれば最高だったのになあといったところです。

まとめ:シリーズ過去作の完成度には届かないが、クッション性・安定性に強みのある良バレーボールシューズ

ウエーブモーメンタム エリート_画像

ウエーブモーメンタム エリートは、クッション性・安定性を求める方であればおすすめできるバレーボールシューズの1つアウトサイドヒッター、ミドルブロッカー、オポジット向きでしょう。

しかしながらシリーズ過去作の非常に高い完成度を知っている身からすれば、期待のハードルを超えておらず少し残念だなあといった印象がどうしても残ってしまいました。

総合評価:★★★★☆(4/5:おすすめ)

ウエーブモーメンタム エリート_画像

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