バレーボールシューズ
ミズノ「ウエーブモーメンタム プロ(WAVE MOMENTUM PRO)」
を、実際に履いた上でレビューしていきます。
基本・スペック情報
ウエーブモーメンタム プロは、ウエーブディメンションの後継モデルにおそらく該当し、以下のモデルが展開されています。
| ウエーブモーメンタム プロ | |
|---|---|
| 品番 | V1GA2540 |
| 履き口 | ローカット |
| 足幅 | 2E相当 |
| カラー・サイズ | ・51:ホワイト×ブラック(22.5cm~30.0cm) ・54:ブラック×ホワイト(22.5cm~30.0cm) |
今回実際に履いてレビューするのは、ウエーブモーメンタム プロ・51:ホワイト×ブラック・26.0cm。以下がシューズのデザイン画像です。






ウエーブモーメンタムシリーズがアップデートされ、正直わかりづらくなった
今作からウエーブモーメンタムシリーズがアップデートされたことについてはウエーブモーメンタム エリートのレビュー記事にて散々書いたので、詳細についてはそちらをぜひみていただきたいですが、改めて簡潔にまとめると↓
- ウエーブモーメンタム 3 → ウエーブモーメンタム エリート、ウエーブモーメンタム エリート WIDE
- ウエーブモーメンタム 3 MID → ウエーブモーメンタム エリート MID
- ウエーブディメンション → ウエーブモーメンタム プロ
と、シリーズが統合・集約されました。

ステップアップモデルとして位置付けている当シューズに「プロ」と、あたかも上位モデルと誤認してしまいそうな単語をつけ、さらにデザインも「エリート」そっくりなので、このシューズの立ち位置がぱっと見ではめちゃくちゃ分かりづらい。私は非常に困惑しているし、困惑する人も多いだろう。といったところです。
機能面では前作よりわずかにパワーアップ
主な機能等を前作(ウエーブディメンション)・今作上位モデル(ウエーブモーメンタム エリート)と比較すると、以下の通り。
| 前作 ウエーブディメンション | 今作 ウエーブモーメンタム プロ | 今作上位モデル ウエーブモーメンタム エリート | |
|---|---|---|---|
| 足幅・履き口 | 2.5E相当ローカット | 2E相当ローカット | 2E相当ローカット 3E相当ローカット(WIDEモデル) 2E相当ミドルカット(MIDモデル) |
| アッパージグザグ 2層構造 | × | △控えめ | ○ |
| 靴べろ部 | ブーティ構造 | ハーフブーティ構造 | ハーフブーティ構造 |
| ワイドなソール設計 | ○ | ○ | ○ |
| サイドウォール設計 | △控えめ | △控えめ | ○ |
| ミッドソールクッション | 記載なし | 記載なし | MIZUNO ENERZY |
| 前足部クッション | 記載なし | 記載なし | MIZUNO ENERZY CORE |
| かかと部クッション | MIZUNO ENERZY | MIZUNO ENERZY XP | 記載なし |
| インソール | 普通 | 普通 | MIZUNO ENERZY XP |
2.5Eを廃止し、今作では2Eを採用
今作は足幅が2E相当となっています。足幅2.5E相当だった前作ウエーブディメンションや、シリーズアップデート前のウエーブモーメンタムシリーズを履かれていた方は注意が必要です。
前作よりもやや軽くなり、より標準的な重さになった

重さは、26.0cm左片足紐ありで実測285g。バレーボールシューズとしては普通レベルの重さです。足幅変更の影響もあってか、前作ウエーブディメンションよりもやや軽くなっています。
実際に履いてみた感想
- 履き心地
-
■■■□□(3/5:普通)
- フィット性
-
■■■■□(4/5:ややフィットする)
- 通気性
-
■■■□□(3/5:普通)
- グリップ性
-
■■■■□(4/5:やや滑りにくい)
- クッション性
-
■■■■□(4/5:ややクッション性がある)
- 反発性
-
■■■□□(3/5:普通)
- 安定性
-
■■■■□(4/5:ややブレにくい)
- 屈曲性
-
■■■■□(4/5:やや曲げやすい)
- 重さ
-
■■■□□(3/5:普通)
- 価格
※メーカーカタログ値
※当サイト価格基準C -
■■■□□(3/5:普通)
総合評価:★★★★☆(4/5:おすすめ)
性能的には「プロ」ではない。しかし必要十分

ウエーブモーメンタム プロを実際に履いてみた第一印象ですが、まさに「これでいい」性能。初心者から中級者の大半のバレーボーラーがそれなりに満足できるであろう性能をしています。逆を言えば、「プロ」で想像できるような上級者向けなハイスペックバレーボールシューズではありません。
先ほども述べましたが、ステップアップモデルのバレーボールシューズに「プロ」という名称をつけたことによって、チグハグなイメージになってしまっているのが非常に残念です。
クッション性と安定性にやや強みがある

「これでいい」スペックの中において、クッション性と安定性にやや強みがあるのがウエーブモーメンタム プロの特徴です。
この点は「ウエーブモーメンタム」シリーズらしさが反映されているといったところです。まずはこの「ウエーブモーメンタム プロ」を入り口に、よりクッション性と安定性を求めるのであれば上位モデルの「ウエーブモーメンタム エリート」を検討してね。という道筋が明確になっています。
前作よりもグッとタイトになり、「優しさ」は消えた

前作ウエーブディメンションと比較をすると、「履き心地」「足幅(フィット性)」の2点が大幅に変わっています。
まずは履き心地。こちらは、前作よりもアッパー内側の素材が一般的なものへと変更されており、かつブーティ構造からハーフブーティ構造へと変更されたため、前作にあった「若干履きづらいが優しく包み込んでくれる感」はさっぱり無くなっており、ごく一般的なバレーボールシューズのような履き心地・履きやすさとなっています。「ハーフブーティ構造」と大きく掲げられているものの使用感はいわゆる普通の構造と変わりなく感じ、個人的には前作の方が好みでした。
次に足幅(フィット性)。前述しましたが、前作の足幅は2.5E相当の設計でしたが今作は2E相当へと変更されており、フィット感は当然にタイトなものに変わっています。前作ウエーブディメンションやこれまでのウエーブモーメンタムシリーズを履かれていた方は注意が必要です。
履き心地・足幅(フィット性)以外は前作とほとんど同じ


「履き心地」と「足幅(フィット性)」に関しては前作から大幅に変わっていますが、それ以外に関しては前作とほとんど同じです。
前足のジグザグの2層構造の採用や、かかと部のクッション材がアップデートされていますが、違いはほとんど感じられませんでした。これらは前作同様と思っていただければと思います。
コスパはやや良いが、値上げの影響が大きい
「これでいい」必要十分な性能であり、展開されている価格も記事執筆時点では普通レベルとなっていて、多くの方がそれなりに手を伸ばせるであろう、それなりに満足できるであろうスペックのバレーボールシューズとなっており、コスパは良好です。
ただし前作の初期価格と比較すると大きく値上げされており、記事執筆時点においては上位モデルとの価格差がそこまでなくなってしまっていて、前作よりもコスパの強みが薄れてしまっています。
例えばこちらも記事執筆時点ではございますが「ウエーブライトニング Z8」であれば価格差少なくより高バランスな性能を手に入れられるできるでしょう。

まとめ:前作よりも評価は少し下がるものの、「これでいい」バレーボールシューズ

ウエーブモーメンタム プロは、前作ウエーブディメンションと比較をしてしまうと履き心地とコスパに対する満足度が少し下がってしまっているのが少し残念ではありますが、前作比較を抜きにして考えると、コスパにやや優れていて多くのプレイヤーにとって「これでいい」と思えるような必要十分な性能を備えており、バレーボールシューズ選びに悩んでいる初心者〜中級者の方にまず手に取って試していただきたい。おすすめできるバレーボールシューズです。
総合評価:★★★★☆(4/5:おすすめ)
