今回は、バレーボールシューズの
ミズノ『サンダーブレード Z(THUNDER BLADE Z)』
を実際に履いたうえで、紹介・レビューしていきます。
ミズノ『サンダーブレード Z』について
ミズノ『サンダーブレード Z』は、サンダーブレード 3の後継モデルとして以下の1モデルが展開されています。
サンダーブレード Z | |
---|---|
品番 | V1GA2370 |
履き口 | ローカット |
足幅 | 2.5E相当 |
カラー・サイズ | ・10:ホワイト×ゴールド×ブラック(22.5cm~30.0cm) ・52:ブラック×シルバー(22.5cm~30.0cm) ・53:ホワイト×サックス×ネイビー(22.5cm~26.5cm) |
今回、実際に履いてレビューを行うモデルは『サンダーブレード Z』(V1GA2370)「10:ホワイト×ゴールド×ブラック」「26.0cm」です。
公式サイトによるとサンダーブレードシリーズを今作からリニューアルした旨の記載があり、その影響でしょうか、これまでの単なる数字のナンバリングではなく「Z」表記での展開です。ちなみに、ウエーブライトニングシリーズも元々は単なる数字のナンバリングでしたが、とあるタイミングから「Z(+数字のナンバリング)」に変更された経緯があるので、サンダーブレードシリーズも同じように今後展開されていくのかもしれません。
前作と比較すると、デザイン・設計ともに変更されています。特にアウトソールのラバーはかなり攻めた設計となっていて、後足~中足部の中心にかけてラバーがなく、前足外側・後足内側も数か所ずつ小さくラバーのない部分があります。軽量化を狙った設計なのでしょうか。
前足外側のアウトソールの張り出しは前作よりもややコンパクトでより尖った形になって引き続き採用され、加えて今作では新たに中足外側下部にコンパクトな樹脂パーツが採用されています。
メーカーサイトに「エントリーモデル」「ステップアップモデル」の両方の記載があり、主に初心者層をターゲットにした抑えめなスペックのバレーボールシューズなのかなといったところです。
重さは実測258g(左片足26.0cm・靴紐あり)。やや軽めのバレーボールシューズです。なお、同条件で282gだった前作と比べると結構軽くなっています。
『サンダーブレード Z』を実際に履いてみた
- 履き心地
-
■■■□□(3/5:普通)
- フィット性
-
■■■□□(3/5:普通)
- 通気性
-
■■■□□(3/5:普通)
- グリップ性
-
■■□□□(2/5:やや滑りやすい)
- クッション性
-
■■■□□(3/5:普通)
- 反発性
-
■■□□□(2/5:あまり反発しない)
- 安定性
-
■■■■□(4/5:ややブレにくい)
- 屈曲性
-
■■□□□(2/5:やや曲げにくい)
- 重さ
-
■■■■□(4/5:やや軽い)
- 価格
※メーカーカタログ値
※当サイト価格基準B -
■■■■□(4/5:やや安い)
総合評価:★★★☆☆(3/5点)
外側下部に感じる強い「面」の安定感
ぱっと見ではそこまで安定感が強いような印象はありませんでしたが、実際に履いてみると想像以上にシューズ外側下部の安定感が強めということを実感できます。
- 前足外側下部のアウトソールの張り出し
- 中足外側下部の樹脂パーツ
おそらくこの2点によって、外側下部の安定感が強化されているのかなと思われます。そしてその安定感も「点」ではなくて「面」での強さを体感することができます。不快感・不自然さもなく、ある程度信頼して自然に履きこなすことができるバレーボールシューズでしょう。
軽めだけど抜群に動きやすいというわけではない
やや軽めのシューズなのでやはり動きやすさに期待していたんですが、実際に履いてみると動きやすさは少し期待はずれかなといったところです。
- グリップ性:『サイクロンスピード 4』にかなり近いサラッとしたアウトソールで、ラバーのない部分が大きくあまり粘り強くグリップしない
- 反発性:クッション自体に反発性はあまりなく、それ以外に反発力を推進するような機能も見受けられない
- 屈曲性:ぐっと踏み込んだときに足の親指のところのアッパーが少し引っかかる
これらの点が動きやすさに悪影響を及ぼしていて、確かに軽いんだけどいざ実際に動いてみると動きやすい部類のバレーボールシューズではあるものの期待を下回ってしまう印象があります。この設計・性能の噛み合ってなさはもったいなくて少し残念です。
『サイクロンスピード 4』がメインの競合先
前作『サンダーブレード 3』と履き比べてみると高性能になっているというわけではなくて、変更・再調整が施されたなといった感覚が強いです(主に重量面で)。性能的には前作同様、エントリーモデル~ステップアップモデル程度といったところでしょう。
同メーカーで同じくステップアップモデルに分類している『ウエーブディメンション』には評価で及ばず、どちらかといえばエントリーモデルに分類している『サイクロンスピード 4』と競合する立ち位置のバレーボールシューズと評価します。
『サンダーブレード Z』と『サイクロンスピード 4』の2足で検討するのなら、
- 「軽さ」「ゆったり目の履き心地・フィット性」を重視する → サンダーブレード Z
- 「コスパ」「タイト目の履き心地・フィット性」を重視する → サイクロンスピード 4
といった選び方になるでしょう。足幅が『サンダーブレード Z』が2.5E相当で、『サイクロンスピード 4』が2E相当なのでカタログスペック通りの履き心地・フィット性といったところです。
まとめ:安定感と軽さにやや強みはあるが、エントリーモデルの範疇にあるバレーボールシューズ
まとめると、ミズノ『サンダーブレード Z』は、
安定感と軽さにやや強みはあるが、エントリーモデルの範疇にあるバレーボールシューズ
といった評価です。
そこそこ手軽に手に入れやすいでしょうから初心者の方の1足目として候補の1つとなりうるかもしれませんが、『サイクロンスピード 4』と大差ありません。また、中・上級者の方で強度の高いプレーをする方にとっては性能不足感が否めません。同メーカーでより高性能なバレーボールシューズを望むなら『ウエーブディメンション』『ウエーブライトニング Z8』のあたりも検討してみてはいかがでしょう。
総合評価:★★★☆☆(3/5点)